脳波・神経生理検査について
脳波・神経生理検査
脳波検査
脳より出ている微弱な電流を、脳波計を用いて他種類の誘導記録より、睡眠の程度・異常波の有無を解析し脳の状態を検査します。
検査方法
頭部の複数箇所に電極ペーストで装着し、約30分記録します。ほとんど目を閉じた状態で記録し、眼の開閉や光刺激・過呼吸賦活試験などをします。(特に睡眠の過程を記録します。)
検査時間は約60分です。乳幼児などは、誘眠薬を使用し、眠らせて検査することがあります。
脳波検査が必要な時・症状
- 発作性症状(失神、けいれん、意識障害、異常行動、睡眠発作など)
- 持続性症状(発育障害・遅延、知能低下、精神障害、めまい、頭痛、運動障害など)
- 脳に関連ある疾患(てんかん、脳腫瘍、脳血管障害、脳の発育障害、脳の退行変性、頭部外傷など)
上記の症状が有り、疾患を疑う時に脳波検査をします。
神経伝導検査
手足の動きにくさ、脱力、しびれなどがある患者様に対して、末梢神経の働きを調べます。
検査方法
手足に電極をつけ、弱い電気で神経を刺激して、刺激の伝わる速度を測定します。
刺激時に痛みをともなう場合があります。
手の場合は肘が見えるように足の場合は膝まで見えるようにします。靴下を脱いでいただくこともあります。
検査時間は約20~40分です。
針筋電図検査
運動障害や、やせ、脱力の原因が筋肉によるものか神経によるものかを調べます。
検査方法
筋肉に針を刺し、力を抜いたり入れたりしていただき、その波形を調べます。神経伝導速度検査同様、袖口や足が見えるようにしていただきます。検査時間は約20~40分です。
聴性脳幹反応(ABR)
聴覚の閾値や聴覚神経伝導路の障害の有無を調べます。
検査方法
頭部に数個の電極とヘッドフォンをつけた状態で仰向けに寝ます。ヘッドフォンから出るカチカチというクリック音を聞いていただき、その際に得られる波形を調べます。検査時間は約20~40分です。
新生児聴力スクリーニング(AABR)
誕生したその日から行える新生児の聴力スクリーニング検査で退院日までに、原則全員に行っています。
検査方法
新生児の耳に刺激音(クリック音)を送り、脳が反応して、得られる特殊な波形を検出し、正常波形と比較します。
脳波室
年間検査実施件数:679件(2016年度実績)
神経生理検査室
年間検査実施件数:307件(2016年度実績)
検査は脳神経内科の医師が行う時もあります。