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がんゲノム医療連携病院について

診療内容

 がんは遺伝子(ゲノム)の病気です。正常な細胞から遺伝子(ゲノム)の傷を蓄積しながら悪性化し、がんとなります。しかし同じ種類のがんにおいても、がんに起きている紫外線や喫煙など後天的な遺伝子の変化(「体細胞遺伝子の異常」と呼びます)は患者さんごとに異なります。がんゲノム医療センターでは、がんに関わる遺伝子、特に治療のターゲット(標的)となる100以上の遺伝子を一度に調べ(「がん遺伝子パネル検査」以下CGP)、抗がん剤(特に分子標的薬剤)の選択に役立つ情報を提供します。つまり、患者さんのがんのゲノム情報を調べて効果の高い治療につなげる、いわゆる「がんゲノム医療」の入り口となる検査を行います。
 治療のターゲット(標的)となる遺伝子異常がみつかった場合のうち、患者さんのがんでその治療の保険適用があれば、既存の検査で確認した後に通常の保険診療として行うことがあります。それ以外に、対象となる企業治験、医師主導試験や臨床試験などがあれば、それらの情報を患者さんにお知らせいたします。もしその試験に参加できれば、患者さんのがんにまだ健康保険が認められていない薬でも治療を受けることができる可能性があります。
しかし、現状ではそのような治療のターゲット(標的)となる遺伝子異常がみつかる割合は必ずしも高くないことはあらかじめご理解ください。
 2019年6月に保険適用となった2種類のがん遺伝子パネル検査(FoundationOne CDx、NCCオンコパネル)に加え、2021年9月に保険適用となった、「FoundationOne Liquid CDx」の受付も開始しております。また遺伝子パネル検査でみつかった遺伝子異常を標的とした治療へのアクセス(患者申出療養制度のもとでの臨床研究・通称: 受け皿試験)、を大阪大学医学部に紹介や仲介などをしています。

特色とがん遺伝子パネル検査の実績

 市立東大阪医療センターは、がんゲノム医療における「がんゲノム医療連携病院」の指定を、厚生労働省により2018年10月から受けております。がんゲノム医療拠点病院では、専門家が集まってがん遺伝子パネル検査の解析結果を検討する委員会(エキスパートパネル)をオンラインで開催し、当センターは大阪国際がんセンターと定期的に行っています。

年度別CGP数

 当センターには人類遺伝学専門医が常勤で勤務し、病院全体で専門性の高い人材育成や教育にも力を入れており、がんゲノム医療拠点病院と協働して、効率的かつ効果的なゲノム医療の社会実装を目指し、がんゲノム医療の全国的な体制構築と推進に貢献してまいります。

がん遺伝子パネル検査の費用について

 がん遺伝子パネル検査(CGP)は、保険診療として実施されます。検査を依頼した際(44万円)と、約3~4週間後に結果を説明する際(12万円)に費用が発生します。保険適用での自己負担額は1~3割(3割負担の場合は16万8000円)となります。医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」に該当すれば、さらに負担が軽減されることもあります。なお、組織サンプルの質(採取法や固定条件等により左右されます)や量により、検査がうまくいかない場合があります。解析が不成功に終わった場合でも費用は返金されません。また、検査を実施した場合には検査結果の内容にかかわらず費用が発生いたします。

がん遺伝子パネル適格基準について

  • 標準治療がない方もしくは標準治療が終了した方(終了が見込まれる方を含む)
  • 固形がんの方
  • 標準的な治療法が確立されていない希少がんや原発不明がんの方

「がん細胞の遺伝子検査システム」が2019年6月1日から公的医療保険の適用対象となりました。
市立東大阪医療センターはがんゲノム医療連携病院ですので、以下の条件を満たす固形がんの患者さんを受け入れております。

[最低必要な条件]

  1. がんと病理的に診断されており、病理報告書と作成後3年以内のパラフィン包埋病理標本と本人の血液(2ml以上)を当院に提出できる事
  2. 標準治療が終了している事を証明できる治療医からの紹介状、または①から希少ながんと当院が判断できる事
  3. C-CATに個人情報のデータ提供、遺伝性腫瘍の情報提供、C-CATに提供されたデータの二次利用に同意、の3点に関して、本人が当院に来院でき意思表示ができる事

当面は、乳腺外科または臨床腫瘍科の医師が窓口として診察と説明を対応しています。
検査に提出後、結果が返ってくるまでに約1か月を要します。その後、がんゲノム医療拠点病院(大阪国際がんセンター)とオンラインで、結果の解釈と治療の検討会議を行います(エキスパートパネル)
検査を開始しても何らかの理由により結果が得られない場合や、遺伝子異常を指摘できても現時点では対応する治療薬が無い場合、など様々な可能性があります。

ご不明な点は、がんゲノム医療センターへ電話やメールにてお問合せください。

お問い合わせ先
がん相談支援センター
TEL 06-6781-5101(代)